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<櫻坂46への改名後もCDはヒット継続!残るは配信ヒットの復活、女子人気がカギ?>

約 1 分

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『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』(91) 
櫻坂46

話題のアーティストの「セールス状況」や「タレントパワーランキング」を見ながら、そのヒット傾向を読み解く『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』。今回は、2020年10月に欅坂46から改名した櫻坂46に注目。

櫻坂46 アーティスト画像

<2010年代に”自我の目覚め”路線で、個性的なアイドルグループとしてCDも配信も大ヒット>

2016年に乃木坂46の妹分となるアイドルグループとしてCDデビューを果たした欅坂46。大人と子どもの狭間にありつつ自分らしさを追求する、いわば“自我の目覚め”のような歌詞や、それを体現した激しいメロディーやダンスパフォーマンスが人気で、シングルCDは8作連続1位、特に2018年の7thシングル「アンビバレント」はミリオンを突破した。特に、彼女たちは音楽配信が強く、ダウンロードではデビュー曲の「サイレントマジョリティー」が50万件突破、ほか6作が10万件突破、ストリーミングでも3rdシングルの「二人セゾン」と6thシングル「ガラスを割れ!」が3千万回再生突破と、これは乃木坂46をも上回るヒットレベル。つまり、それだけ同世代、特に女性からの支持が強かったことがうかがえる。また、アイドル文化を小ばかにしていたようなロック系の男性ファンを取り込んだことも大ブレイクの要因と言えるだろう。

こうした“自我の目覚め”路線で同性から支持を得てブレイクした女性アーティストは、70年代に山口百恵、80年代に中森明菜、90年代から00年代に橘いずみ、Cocco、浜崎あゆみ、YUIと前例はあったが、特に近年、可愛さばかりが取り沙汰されるアイドルグループにおいて成功したという点が大きい。

1stシングル「Nobody’s fault」 ジャケット TYPE-A(左)とTYPE-B(右)

<2020年10月に櫻坂46へと改名、より自然な笑顔と音楽性をアピール>

しかし、そのコンセプトへの縛りが歪みとなったのか、絶対的センターだった平手友梨奈の脱退や、メンバーの交際報道、メンバー間の不仲疑惑などが相次ぎ、2020年7月にて5年の幕を閉じることを発表、10月に無観客での配信ライブをもって活動を休止した。そして、その翌日から櫻坂46として活動を開始したのだが、バラエティー番組へのゲストにもメンバーが積極的に出演するようになり、それまで以上に自然な笑顔で語ることが増えたように感じられた。やはり、そのイメージカラーが重荷となっていたメンバーもいたのだろうか。

1stシングル「Nobody’s fault」 ジャケット TYPE-C(左)とTYPE-D(右)

そうして2020年12月9日、1stシングル「Nobody’s fault」を発表。「No!No!No!他人(ひと)のせいにするな」という強いメッセージ性は欅坂46を継続しているようだが、同時に、相手ばかりを責めるのではなく自分自身を振り返る冷静さが加わったようにも見受けられる。また、全形態共通のカップリング曲「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」は、自我から恋にめざめる女子の気持ちをストレートに表現しているし、通常盤カップリング曲の「ブルームーンキス」も、ファーストキスの瞬間のトキメキを歌うなど、これまでの繊細さが恋愛に向いていて興味深い。さらに、ジャケットも、欅坂時代のワイルド系から高貴な雰囲気も漂うフェミニンなものに一変しているのも大きなポイントだ。

<様々な購入特典でCDヒットを継続するも、音楽配信でかつての勢い無く…>

本作のビルボードの各部門のランキング推移をみると、CDセールスは握手会が出来ない分、オンラインサイン会、オンラインLIVE視聴、オンラインミート&グリート、ソロポスターや生写真プレゼントなど、涙ぐましいほどの購入特典で8週連続TOP10を継続しているが、他方ダウンロードは初登場10位を最高に4週間でTOP100圏外、ストリーミングにおいては1週もTOP100に入っておらず、今後音楽配信やビルボードチャートにおいてもかつてのパワーが取り戻せるかが大きな課題だろう。今やヒットの指針となるのはCDセールスではなく、総合チャートなのだから。

欅坂46のタレントパワースコア(2017年11月) 全体+男女別(左)、年代別(右)

<タレントパワーでは中堅クラスの人気を維持、更なる飛躍には女子からの共感が必要か>

次に、タレントパワーを2017年の欅坂46時代と、改名直後の2020年の同じ11月で比べてみると、全体では15.3%から13.7%と微減程度で中堅クラスの人気を保っており、CDが出せない状況が長かったことを考えればむしろ健闘しているくらいだ。ただ、男女別を見ると、男性はー0.8%に対し、女性はー2.5%とやや目立っており、また年代別で見ても10代・20代に突出していた人気が、幅広く分散していて当時の訴求力はぼやけてしまっており、かつての「女子高生に大人気の」という枕詞は、やや似合わなくなっているようだ。

櫻坂46のタレントパワースコア(2020年11月) 全体+男女別(左)、年代別(右)

とはいえ、前述のようにメディア露出も楽曲も、繊細さを残しつつ柔らかさもアピールしているので、新路線が浸透すれば、再び若い世代、とりわけ同性からの支持が増えるのではないだろうか。欅坂から櫻坂に変わったこの5年間で、時代もCDメインからストリーミング全盛へと変わったように、彼女たちが元々強かった音楽配信でその力を発揮できるかどうか大いに注目している。

1stシングル「Nobody’s fault」 ジャケット 通常盤

 

 

著者プロフィール

うすい・たかし。1968年京都府出身。特技は1975年以降のバースデーソング占いw。地元大学大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、音楽分析や配信サイトの選曲、コンピレーションや復刻CDの企画のほか、日経エンタテインメント!や共同通信『臼井孝の音楽玉手箱』などで愛と情熱に満ちたコラムを執筆。Twitterは @t2umusic(よかったらフォローして下さいませ♪)

 

2020年10月より大人向けのプレイリスト『おとラボ』を選曲しています。是非お気軽に再生してください!

第9弾:R40 冬に聴きたいエールソング&ラブソング) 

第8弾:青春プレイバック!真冬のザ・ベストテン) 

第7弾:R40 誰にも言えない恋のうた) 

第6弾:令和→平成→昭和 映画が観たくなるヒット曲集

第5弾:一曲入魂!この人といえばあの曲!) 

第4弾:R40 冬に聴きたい片想い/失恋ソング) 

第3弾:TV HITS! J-ROCK HISTORY 90s) 

第2弾:青春プレイバック!元気に歌いたい80年代アニソン!) 

第1弾:名曲発掘!一人で聴きたい昭和女性ポップス) 

また、コミュニティFM「渋谷のラジオ」にて水曜12時から『渋谷のザ・ベストテン』というベテラン・アーティスト中心の音楽番組を生放送でお送りしています。専用アプリから全国で生放送が聴けますし、過去のトーク部分は番組の(『渋谷のザ・ベストテン』note) から聴くことができます。よろしければ♪

 

 

この記事を書いた人

臼井孝(うすい・たかし)
1968年京都府出身。京都大学大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽分析やau Music Storeでの選曲(イチオシ、特選ページ)、CD企画をする傍ら、共同通信『臼井孝の音楽玉手箱』、日経トレンディネット『臼井孝の音楽チャートから見るヒット曲最前線!』などでも愛と情熱に満ちた連載を継続中。Twitter@t2umusic(よかったらフォローして下さいませ♪)

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