タレントパワーランキング

タレントパワーランキング|株式会社アーキテクト

歌謡スターを継承した多彩な楽曲で30・40代男女を魅了する平井堅

約 1 分

TV番組観覧・番組に参加したい人にお薦め!

 

『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』
(67) 平井堅

話題のアーティストの「CDセールス」と「タレントパワーランキング」を見ながら、そのヒット傾向を読み解く『臼井孝のヒットは複眼で探せ!タレントパワーランキング編』。今回は、男性シンガーソングライターの平井堅に注目。

平井堅 アーティスト写真

2017年は人を想う2枚のシングルがいずれも配信でヒット

デビュー5年目の00年にシングル「楽園」にて奇跡の大ブレイクを果たして以来、「KISS OF LIFE」「大きな古時計」「瞳をとじて」「POP STAR」「僕は君に恋をする」など様々なタイプのヒット曲を生み出してきた平井堅だが、この2017年~2018年は更に作風が大きく分散している。ここで、この2年間に発売された5作のシングルをあらためて振り返ってみよう。

まず、41作目で映画『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』となった「僕の心をつくってよ」。得意とする優しいバラードだが、秦基博「ひまわりの約束」など同タイアップ路線を意識したのか(あるいは映画サイドが注文したのか)いつもより友情成分多めで、サビの「弱さ/強さ」「笑う/泣く」の対比が心に響く。

続く42作目はTBS系日曜劇場『小さな巨人』の主題歌となった「ノンフィクション」。親友の自死をキッカケに作ったという平井のエピソードや社会の闇を暴こうと苦闘する主人公を描いた社会派ドラマのストーリー、更には紅白歌合戦での義足のダンサーである大前光市とのコラボなど、リアルな感動が大きな反響を呼び、ダウンロードでは30万件以上の大ヒットを記録した。

平井堅 過去2年間のセールス状況 
※2017年作品のダウンロード数は、日本レコード協会のヒット認定から推定

2018年は無謀(?)な同時発売シングルと、無難なヒット確約シングルのバランスが絶妙

18年もシリアス路線を進むかと思いきや、そこを一筋縄ではいかないのが平井堅。5月には映画『50回目のファーストキス』となった「トドカナイカラ」と、テレビ朝日系木曜ドラマ『未解決の女』の主題歌となった「知らないんでしょ?」を本人曰く”無謀にも”同時発売。それらのダウンロード売上(前者が約5万件、後者が約3万件)はタイアップ効果よりも、楽曲の特徴がそのまま結果に繋がったようだ。つまり、「トドカナイカラ」はカラオケや配信で人気の「キミはともだち」を想起させる軽快なラブソングでこちらも人気が出たが、「知らないんでしょ?」の方はネット社会の闇を感じさせるミステリアスなバラードでやや苦戦した。TVでは目隠しをしたり、グロテスクな仮面をつけたりと小さな子どもが泣いてしまいそうな戦慄のパフォーマンスで「知らないんでしょ?」を歌唱することが多かったが、その深遠さはセールス”記録”ではなく、“どんな熱演もやってしまう平井堅”という強烈な記憶に結びついたようだ。

平井堅 シングル「half of me」(通常盤)(ソニー) 

そして、同年11月にはシングル45作目として「half of me」を発売。こちらはフジテレビ系ドラマ『黄昏流星群』主題歌にも相応しい切ないバラードだが、人気バラード「even if」の続編として以前からLIVEで披露されていたこともあり、静かな曲調や永遠の片想いを綴った歌詞などがいっそう心に沁みる。ちなみに、同シングルのカップリングには、「even if(everlasting ver.)」や、覆面アーティストAmPmがプロデュースし女性ラッパーのchelmicoとコラボしたEDM系の「HOLIC」を収録しているので、シングル全体を堪能するのも是非オススメ(随所に挿入される平井堅の低音ハモリが斬新!)。

平井堅 LIVE映像ソフト
『Ken Hirai Films Vol.14 Ken’s Bar 20th Anniversary Special !!』(ソニー) 

LIVEにて西城秀樹の楽曲をカバーし、歌謡スターへの憧れゆえの多面的な音楽性を解説

さらに、同年末にはアコースティックLIVE『Ken’s Bar』の20周年となるスペシャルLIVEの東京公演とNY公演を全曲ノーカットで収録した映像ソフトを発売。これが凄まじくディープな内容で、彼の20年以上にわたるプロのアーティストとしての器量が存分に発揮されていて感動した。

全国のLIVEビューイングの会場を老眼と闘いながらも全部読み上げたり、リクエストコーナーで一般ファンとの漫談風の掛け合いをしたりで全体に和やかな雰囲気で進行。それでいて大ブレイク前のあいみょんをカバーしたり、NY公演では英語曲を自然に取り込んだり、演奏無しでもリズミカルに歌いだしたりとハイセンスかつハイレベルなパフォーマンスを披露するというその緩急がお見事。

特に感心したのは、西城秀樹の「ギャランドゥ」をカバーしたこととその後のMC。ヒデキ風のシャウトを入れつつ彼らしくカバーした後、西城秀樹へのリスペクトを存分に語り、自分が1曲ごとに楽曲コンセプトや衣装を大きく変えて歌うのは、ヒデキやジュリーなど当時の歌謡曲のスターに少しでも追いつくためだと話したのだ。確かにヒット路線のバラードに安住せず、突如としてファンキーに「Strawberry Sex」と歌いだしたり、インド風ポップスで「ソレデモシタイ」と踊り出したりするのは、沢田研二や西城秀樹、松田聖子や中森明菜など1曲ごとに全く異なるコンセプトで挑む歌謡曲の熱量を感じさせる。

(平井堅 タレントパワースコア 2017年2月~2018年8月:全年代)

安住しない音楽性で、安定した人気を維持する類まれなアーティストにエール!

そんな平井堅のタレントパワーは、ここ数年、音楽部門でTOP30前後に入る、つまり毎年大型音楽番組に呼ばれて当然の人気をキープ。特に、男性は30代~40代前半で人気なのに対し、女性は40代~50代前半で人気とやや年代差があるのは、もしかすると、男性は多彩な音楽性、女性はうっとりさせるバラード要素と、それぞれの人気曲が異なるのかもしれない。

(平井堅 タレントパワースコア 2017年2月~2018年8月:男性30~34才)

ともあれ、この2年間のシングルやその集大成的なLIVE映像ソフトで、平井堅の現在の立ち位置の凄さがよく分かった。今後も、セールス記録よりも、強烈なインパクトを残す記憶のアーティストであれと、心からエールを送りたい。

(平井堅 タレントパワースコア 2017年2月~2018年8月:女性40~44才)

 

 

著者プロフィール
うすい・たかし。1968年京都府出身。地元国立大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽分析や配信サイトの選曲、コンピレーションや復刻CDの企画をする傍ら、OKMusic『臼井孝のヒット曲探検隊~アーティスト別ベストヒット20』や共同通信『臼井孝の音楽玉手箱』などで愛と情熱に満ちたコラムを執筆中。Twitter@t2umusic(よかったらフォローして下さいませ♪)

 

2018年11月から5か月連続で竹内まりやの初期(RCA時代)のアルバム

『BEGINNING』

『UNIVERSITY STREET』

『LOVE SONGS 』

が発売されています(以降、『MISS M』『PORTRAIT』も発売予定)。これが最新リマスタリングに竹内まりや本人インタビューを織り込んだ解説、さらに貴重なLIVE音源のボーナストラック付きという丁寧な復刻が光ります!何より、豪華な作家やミュージシャンに囲まれながら、本人の歌での表現力や、作曲能力がどんどん伸びていくのが見事。特に初期は、平井堅同様に自作と他作がミックスしているのも興味深いです。ご参考下さい♪

この記事を書いた人

臼井孝(うすい・たかし)
1968年京都府出身。京都大学大学院理学研究科修了、専攻は理論化学(だったはず)。総合化学会社、音楽系広告代理店での数値解析やマーケティング実務を経て、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽分析やau Music Storeでの選曲(イチオシ、特選ページ)、CD企画をする傍ら、共同通信『臼井孝の音楽玉手箱』、日経トレンディネット『臼井孝の音楽チャートから見るヒット曲最前線!』などでも愛と情熱に満ちた連載を継続中。Twitter@t2umusic(よかったらフォローして下さいませ♪)

コメントタイトル

*
*
* (公開されません)

空いた時間でモニター体験してみませんか?